DSPラジオチップを使う

今回は、aitendoから販売されているDSPのラジオチップを実験してみようと思います。

DSPは、Digital Signal Processorの略称であり、ラジオの電波をデジタルに処理して、音声に変換するチップです。

またどこかで詳しく解説できたらとおもいますが、従来型のアナログなラジオ回路は、2000年頃まではさかんに使用されていましたが、

ここ10年は、ラジオもほとんどデジタルに置き換わっています。デジタルなラジオの良いところは、回路構成がワンチップで収まっているため、

本当に簡単に作られているところです。

また、アナログなラジオでは、職人技のようなものがある程度必要でした(特にコイルの巻き方や配線の長さ等)が、デジタルではそんものはいりません。

なので、つなげば必ず動く、といった塩梅です。さっそく作っていきましょう。

写真1 これがDSPラジオチップ

DSPのチップは、国内メーカーは作っていません。日本でのラジオの需要があまりありませんし、小型化もあまり求められていないので、国内メーカーは手を出しません。ではどこで作られているかというと、中国です。中国でのラジオの需要はさかんで、とくに、中華系のスマホには、かならずラジオの機能があります。

小型化が求められるスマホにおいて、アナログなラジオを入れるのはあまりにも邪魔です。そのため、ラジオを小さく作れるDSPチップの開発が盛り上がっているのです。そんな、中華系のICチップは、あまり秋葉原には出回りません。主に仕入れられるのは、alibaba、alibabaを転売するamazon、日本のaitendoです。

Nintendoのパクリみたいな名前をしていますが、このお店は、中国出身の工学博士が日本で起業された、中華系の電子部品とそれを用いて自社開発した工作キットを扱う中華系の秋月みたいなお店です。現在は、コロナの影響により、実店舗は閉店しており、通販のみでの営業になっています。

 

さて、そんなaitendoで、今最新のラジオチップがこちら、

写真2 aitendoから購入できる

M6952v2になります。価格は680円とお手頃。

2022年1月時点では、在庫がまだ千個以上あるようなので、まだ買えると思います。

DSP6952というチップを、紫色の基板にのせて、ブレッドボードやユニバーサル基板ではんだづけできるように仕上がっています。

ホームページに、基板の内部回路も載っていました。

ICチップ以外にも、水晶発振子や、コンデンサも載っているようです。

第1図 モジュール内部回路

第2図が、最小構成で作るラジオの回路図です。Vcc-GND間に3Vの電池。VREFーNからVREF-Pの間に、音量と選局のボリュームを入れるだけです。

FMINから、適当なケーブルを伸ばせば、これがアンテナになります。

また、MWINP-MWINNに、AM用のバーアンテナコイルをつなぐことで、AMも受信できます。

 

第2図 最小構成配線図

AM・FMの切替は、第3図のように、BCAMの端子を、VREF-PにつなぐとFMモード。VREF-N~VREF-P間を130kΩと30kΩ(10kΩを3つ)で分圧することで、AMモードになります。 AMは日本らしい呼び方で、このICではMW(中波)と呼んでいます。 

第3図 帯域の選び方
第4図 最小構成の実体配線図

実際に、ブレッドボードで配線しましょう。

写真3 ピンヘッダをはんだ付けする

ブレッドボードにさしこめるように、ピンヘッダ(12P)を二か所、はんだ付けします。

写真4 最小構成回路をブレッドボードで組んでみる

第4図のように配線してみました。

期待以上に、よく聞こえます。ただ、帯域が広いため、選局のボリュームがシビアです。多回転ボリュームを使うか、ボリュームのツマミを大きくすることをお勧めします。

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