【No4】 消しゴムレーザーポインタを作ろう!

皆さんは消しゴムを加工したことがあるでしょうか。中学生の頃、退屈な授業中に、消しゴムを加工して中に機械やらコンピュータを隠したスパイグッズのようなものを作りたいと考えたものです。

今回は、消しゴムを加工して、レーザーポインタを埋め込もうと思います。秋月電子では、レーザーポインタのモジュールが380円で販売されています。これと、10円のタクトスイッチ、100円の消しゴムがあれば、レーザーポインタがたったの500円でできます。ぜひ、作ってみましょう。

写真1;これが消しゴムレーザーポインタだ
写真2;レーザーモジュールが秋月で380円

レーザーのしくみ

写真3;レーザーモジュール

レーザー光は指向性にすぐれ、明るい小さなスポットとして照らすことができるからです。

レーザーの光源は半導体レーザーです。半導体レーザーはレーザーダイオード(LD)とも呼ばれるため、発光ダイオード(LED)と混同されたりしますが、両者が放つ光は大きく異なります。発光ダイオードは“自然放出”、半導体レーザーは“誘導放出”という原理によるものです。自然放出の光(自然界の光やLEDの光など)は、波長が一定でも位相や波形がそろっていない光です。そのため、距離が長いほど光が拡散してしまいポインタのように集まりません。

一方、レーザー光は原色の波長を使うことと、結晶のレンズで集光させることで、位相も波形をそろえることで、まっすぐで拡散しない光を作ることができます。


さっそく作ってみよう

さっそく、消しゴムレーザーポインタを作りましょう。第1図が回路図です。レーザーは、使い方が難しいように思えますが、豆電球などと同じで、電池をつなぐだけで光ります。コイン電池にはCR2032、ボタンは、秋月で販売されている1cm角のスイッチを使いました。第2図の寸法で消しゴムを加工し、第3図のように取り付けます。

第2図;加工図面
第3図;部品の取り付け位置
第4図;表面
第5図;裏面

まず、第2図の寸法を消しゴムに書いていきます<写真4>。寸法に忠実になる必要はありません。部品を実際においてなぞるのもよいでしょう。表面、裏面はこのようにかきました<写真5><写真6>。

写真4本体に線をひいていく
写真5;表面
写真6;裏面
写真7;使用したルーター
写真8 ルーターで消しゴムを削っていく

消しゴムを掘るのは、彫刻刀などでもできますが、ケガしやすいのと力加減が難しいので、ルーターを使うことにしました。

まともなルーターはとても高価(1万円くらい)しますが、加工対象は消しゴムですから、そんなに高いものはいりません。近所のホームセンターで販売されていた電池式のもの(700円程度)を使います。これでも、消しゴムでしたら十分削れます。ケガに注意して削りましょう<写真8>。

少し削っては、部品をおいて深さを確かめ、また削るを繰り返します<写真9>。電池側も同じように削ります<写真10><写真11>。

写真9;実物でサイズを確認
写真10;さらに削る
写真11;実物で確認

削っている様子は、冒頭の動画にも詳しく載せますのでそちらもぜひ見てください。

写真12 不要な突起を切り落とす
写真13 切り落としたスイッチ

スイッチには突起がついています。消しゴムの厚さは11mmしかないので、これがあると収まりが悪いですので、ニッパーで切り落としてしまいましょう<写真12>。切り落とすと写真13のようになります。すこし表面が汚くなりますが、消しゴムのカバーに隠れるので問題ないです。

レーザーモジュールのケーブルは4cm程度に切り、ひふくを剥きます<写真14>。 上側の貫通穴にケーブルを通し、黒い線とスイッチをはんだづけします<写真15><写真16>。

写真14  レーザーのひふくを剥く
写真15 貫通穴に通す
写真16; 黒線とタクトスイッチをはんだづけ
写真17 赤線にスズめっき線をつける
写真18 レーザーモジュールをはめこむ

また、スズめっき線(抵抗の余り足など)を用意し、3cm程度に切ります。スイッチのレーザーをはんだづけした端子とは対角の端子に、めっき線をはんだづけします<写真17>。また、レーザーの赤い線にもう一本、スズめっき線をはんだづけしましょう。レーザーは裏側に組付けます<写真18>。

写真19 レーザーの照射口を開ける
写真20 少し顔を出す程度

また、レーザーの照射口をカッターで切り出します<写真19><写真20 >。

写真21 タクトスイッチ側のめっき線は電池の下
写真22 レーザーの赤い線は電池の上

写真21のように、スイッチにつけたスズめっき線は,電池のマイナス(下)側につなぎます。電池をセットして、電池の上に、レーザーの赤い線とつながったスズめっき線を置きます<写真22>。

最後に、消しゴムのカバーをつけて完成です<写真23>。MONOのロゴのMあたりを押すと光るはずです。どうでしょうか、無事にできたでしょうか。

写真23 カバーをかぶせる
写真24 完成

部品表 (合計500円)

記号部品名部品の内容使用数[個]購入数[袋]価格(円)店舗名通販サイトデータシート
LEDレーザーモジュール11380秋月電子通商通販リンクデータシート
スイッチ1cm角タクトスイッチ1110秋月電子通商通販リンク通販リンク
消しゴムMONO PE-04A11110文具店
部品表

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