LEDを光らせる回路(1個、2個、4個)

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・そもそもLEDとは

・LEDの色と電圧の関係

・ブレッドボードの扱いに慣れる

 

ブレッドボード回路集、最初の投稿は電子工作を始める第一歩、「Lチカ」です。LEDは、電光掲示板、電球、テレビなど、光るもののありとあらゆるものに使われています。そんなLEDを光らせるには、どうしたらいいでしょうか。実は、乾電池をそのままつなぐだけではダメなのです。この記事では、そんなLEDのそもそもについて、使い方を解説します。

 

そもそもLEDとは

第1図 LEDの記号
写真2 LED
第2図 アノードカソードの見分け方

それでは、そもそもLEDとはどんなものでしょうか。LEDは、Light Emmiting Diode(光を放射するダイオード)という意味で、電流を流すことで光らせることができます。第1図が回路記号です。下向き三角に横棒一本、これがダイオードの記号。ここに、矢印を引いて、光を放射することを表しています。また、写真2がLEDの外観です。LEDは、円筒型で先がドーム状になっています。
LEDには、端子が二本でており、それぞれアノード(A)、カソード(K)と名前がついています。ダイオードと同じですね。
電流はアノードからカソードにしか流せません。そのため、電圧は、アノード側にプラス、カソード側にマイナスをつないで電圧をかけることで光らせられます。
しかし、電圧をかければ光るのであれば、乾電池をつなげば万事解決。とは、ならないです。実際には、後ほど解説する電流制限抵抗をつなげなければなりません。
アノード、カソードの見分け方は、リード線の長い方がアノード、短い方がカソード、が一般的に言われておりたしかにその通りになっています。しかし、その判断では、リード線をカットしてしまったときにわからなくなりますよね。そこで、もう一つの見分け方としては、LEDの中をよく見ると第2図のように、逆三角形の台がある線と、ない線があります。この三角形は、LEDのチップ(半導体)をのせている土台で、ここはカソードであることがほとんどです。

 

LEDを1個光らせる回路

第3図 LEDを1個光らせる回路図
第4図 LEDを1個光らせる回路

それではさっそくLEDを光らせていきましょう。
第3図がLEDを1個光らせる回路です。よく見ると、LEDと乾電池以外に抵抗(R1)が直列でつながれていますね。これは、電流制限抵抗と呼びます。少し難しい話になるので簡単に説明しますが、LEDには流せる電流、電圧が決まっています。赤色LEDの場合は、10mAの2.1Vです。そうすると、乾電池一個の電圧は1.5Vですから、乾電池一個では足りないし、乾電池二個(3V)では電圧が高すぎます。電圧が高すぎると、その分大量の電流が流れてしまうため、間に抵抗を挟み、電圧と電流を調整します。くわしくは、後記のコラムを見てください。乾電池3Vに対して、2V,20mAのLEDを光らせるための抵抗は、51Ω程度です。ざっくりそう覚えてください。それでは、実際に作ってみましょう。第4図がLEDを1個光らせるための配線図です。まずはこの通りに配線しましょう。LEDの向きは、アノードが+、カソードが-ですから、足の長い方を電池のプラス極側(第4図では抵抗とつながる方)にさします。また、抵抗に向きはありません。

 

LEDを2個光らせる回路

第5図 LEDを2個光らせる回路図
第6図 LEDを2個光らせる回路

つぎに、LEDを追加しましょう。LEDを追加するのは簡単です。第5図、第6図のように同じ回路をそのまま増やすだけです。ただし、注意したいのは抵抗もLEDの数だけ増やしてください。一つの抵抗でLEDを複数つけると、まずLEDの個数分の電流が合算されるため、抵抗にかかる損失が大きくなり発熱しやすくなります。そのため、大きい抵抗をつけなければならなくなります。また、LEDには個体差があり、同じ型のLEDでも、電流が流れやすいLEDと流れにくいLEDがつながれば、流れやすいLEDにたくさん電流を奪われ、もう片方は光がよわい、不安定な動作になります。そのため、それぞれに抵抗をつけましょう。

 

様々な色のLED(4個)を光らせる回路

続いて、赤以外のLEDもいろいろつないでみましょう。

今回は追加で、青と黄色をつなぎます。第7図、第8図のように各色のLEDの電圧、電流と3V、6Vの場合の抵抗値を示します。

赤色 2.0V 20mA [3V時]51Ω [6V時] 330Ω

黄色 2.1V 20mA [3V時]51Ω [6V時] 330Ω

青色 3.1V 30mA [3V時]光らない[6V時]100Ω

詳細はコラムで示しますが、ざっくりこう覚えておくとよいでしょう。青色LEDは3.2Vの電圧を印加しなければならないので、乾電池二本では足りません。そのため、6Vで動かし、制限抵抗100Ωをつなぎました。降下させる電圧が赤と比べて低く、電流も大きいため、小さい抵抗値になります。

今回使用した部品

今回使用した部品を下記に示します。ぜひチャレンジしてください。

ブレッドボードは部品表に乗っていませんので別途調達してください。

 記号部品名部品の内容使用数[個]購入数[袋]価格(円)店舗名通販サイトデータシート
R1,R2,R3抵抗330Ω1/4W31100秋月電子通商通販リンクデータシート
R4抵抗100Ω1/4W11100秋月電子通商通販リンクデータシート
R1,R2抵抗51Ω 1/4W21100秋月電子通商通販リンクデータシート
LED1,LED4LED5mm 赤2240秋月電子通商通販リンクデータシート
LED2LED3mm青11140秋月電子通商通販リンクデータシート
LED3LED5mm 黄1120秋月電子通商通販リンクデータシート
VCC電池BOX単三2本用1150秋月電子通商通販リンク
VCC電池BOX単三4本用1170秋月電子通商通販リンクデータシート
乾電池単三電池(4個入り)1180秋月電子通商通販リンク

 

コラム(LEDの抵抗計算)

さて、ここでは少し難しい話をします。LEDの電流制限抵抗はどのように計算されているかを紹介します。

まず、電流制限抵抗の計算値は下記の計算式で計算できます。

抵抗R[Ω]は、キルヒホッフの電圧則により、電池の電圧VBATからLEDの電圧(データシートにVfで記載されてます)を引き算した値が、抵抗にかかる電圧になります。たとえば第9図の場合、抵抗にかかる電圧は、電池の電圧3V、LEDの電圧2Vで、1Vになります。この抵抗に1Vの電圧がかかり、LEDに20mA流すためには、オームの法則より、1V÷20mAで、50Ωとなります。市販されている抵抗で50Ωは無いので、売られているなかで最も抵抗値の近い、51Ωを使うわけです。


今回の記事のデータ

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